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尖圭コンジローマ

コンジローマとは

HPVウイルス(ヒトパピローマウイルス)の感染によって、陰部にイボができる病気です。
 
HPVウイルスには100種類以上の型があり、その一部は子宮頸がんの原因となりますが、コンジローマの原因となるのは6型と11型で、子宮頸がんとの関係はありません。

イボができるだけで、痛みや痒みなどの症状はほとんどありません。
 
※子宮頸がん予防のためのHPVワクチンのうち、ガーダシル・シルガードというワクチンには、コンジローマの原因となる型にも対応しているので、感染したことがない方にとっては、コンジローマ予防効果も期待できます。
 
 

検査

イボを見るだけで診断がつくことが多いですが、イボを切り取って顕微鏡で見る検査を行うこともあります。
 

治療

下記のクリームを処方して治療します。
 

イミキモドクリーム(ベセルナクリーム)

 
1日1回、週に3回、就寝前に塗布します。比較的強い薬なので、朝起きた時にはシャワーで流すようにしてください。
 
正常な皮膚にクリームが付いて肌荒れが強い場合には、症状が改善するまで一旦お休みとなります。
 
原則として16週間までの治療となるため、クリームにて治りきらない場合には、下記に説明する外科的治療を検討します。
 
治療が終わるまで非常に時間がかかるので、気長に治療することが必要ですが、早期治療をご希望の場合は、以下の焼灼術をご相談下さい。
 

コンジローマ焼灼術について

 
クリームや焼灼術にて治療が終わっても、数か月後に再び再発することがあるので、注意して観察するようにしてください。
(数か月以内の再発率が25%と言われています)

尖圭コンジローマとはどのような病気ですか。何が原因で感染しますか。

尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染によって、性器やその周辺に独特なイボ(乳頭状突起)ができる性感染症です。主に性的接触(性交、オーラルセックスなど)の際に、皮膚や粘膜の微細な傷からウイルスが侵入することで感染します。原因となるのは主にHPV6型や11型という、発がん性の低い「低リスク型」のウイルスです。

どのような症状が現れますか。イボの見た目の特徴を教えてください。

女性の場合は、大陰唇や小陰唇(外陰部)、腟の入り口、腟の中、会陰、肛門の周りなどに、小さなブツブツが発生します。イボが大きくなると、ニワトリのトサカやカリフラワー、あるいはブロッコリーのような形に育つのが大きな特徴です。初期は自覚症状がほとんどなく、痛みもありませんが、大きくなるとかゆみ、不快感、性交時の痛みや出血の原因になります。

男性が感染した場合、どのような症状が出ますか。

男性の場合は、ペニスの亀頭、冠状溝(亀頭のすぐ下のくびれ)、包皮、陰嚢、あるいは肛門の周りなどに女性と同様のトサカ状・カリフラワー状のイボが現れます。女性と同じく、初期は痛みがなく無症状であることが多いため、ただのニキビや脂肪の塊(フォアダイスなど)と勘違いして放置されやすく、パートナーへ感染を広げる原因になります。

潜伏期間はどのくらいですか。すぐに症状が出ないこともあるのですか。

尖圭コンジローマの潜伏期間は非常に長く、ウイルスに感染してから実際に目に見えるイボが現れるまで、一般的には「3週間から8ヶ月(平均3ヶ月前後)」かかります。そのため、いつ、誰から感染したのかを特定することが難しい疾患です。また、感染してもイボが出ないままウイルスだけを保有しているケースもあります。

どのような検査で診断されますか。すぐに結果は分かりますか。

基本的には、婦人科の外来で行う「視診(医師が直接目で診る検査)」で、その独特な形状からすぐに診断がつきます。見た目だけで判断が難しい小さなイボや、他の病気と区別がつかない場合は、イボの一部を小さく採取して顕微鏡で調べる「病理組織検査」を行うことがあります。

治療にはどのような方法がありますか。お薬で治りますか。

治療法には、大きく分けて「お薬の塗布」と「外科的な除去」があります。比較的初期で小さなイボの場合は、自宅で週3回塗るイミキモドクリーム(ベセルナクリーム)という免疫を導入するお薬による治療を行います。イボが大きい場合や数が多い場合は、レーザーを使ってその場でイボを焼き切る切除術を行うこともあります。

一度の治療ですべて治りますか。再発しやすいというのは本当ですか。

はい、尖圭コンジローマは「非常に再発しやすい」のが最大のデメリットです。目に見えるイボを治療で完全に除去したり消失させたりしても、その周囲の正常に見える皮膚や粘膜の細胞の中に、目に見えないウイルスが潜伏しているためです。治療後3ヶ月以内の再発率は約25パーセントから30パーセントと言われており、完全に治癒するまでには何度か通院して根気強く治療を続ける必要があります。

パートナーも一緒に治療を受ける必要がありますか。

はい、必ずパートナーも同時に専門の医療機関(男性であれば泌尿器科や皮膚科)を受診し、検査と治療を受けてください。尖圭コンジローマのパートナーへの感染率は約60%から70%と非常に高いため、片方だけを治しても、お互いにうつし合う「ピンポン感染」を繰り返してしまいます。治療期間中は、完全にイボが消失するまで性交渉(オーラルセックスを含む)を控えてください。

妊娠中に尖圭コンジローマが見つかった場合、赤ちゃんへの影響や出産はどうなりますか。

妊娠中は免疫力が低下するため、イボが急速に巨大化して腟の入り口を塞いでしまうことがあります。基本的にはお腹の赤ちゃんに直接奇形を起こすようなウイルスではありませんが、イボを残したまま経腟分娩(自然分娩)を行うと、産道を通る際に赤ちゃんにウイルスが感染し、赤ちゃんの喉にイボができる「乳児喉頭乳頭腫」という病気を引き起こすことがあります。そのため、出産までに治療が間に合わない場合は、安全のために帝王切開が選択されます。

尖圭コンジローマを予防する方法はありますか。ワクチンの効果はありますか。

最も有効な予防法は、子宮頸がん予防としても知られている「HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)」の接種です。現在広く普及している4価ワクチン(ガーダシル)や9価ワクチン(シルガード9)には、尖圭コンジローマの原因となるHPV6型・11型の成分が含まれているため、接種することで約90%以上の予防効果を発揮します。また、性行為の際には最初から最後まで正しくコンドームを着用することも感染リスクを下げるために極めて重要です。


※当院の尖圭コンジローマに関する診療、検査および治療方針は、一般社団法人 日本性感染症学会が策定する「性感染症診断・治療ガイドライン」に準拠しています。再発への不安に寄り添い、腟内を含めた確実な治療と適切なアフターケアを提供しています。より詳細な専門情報やガイドラインにつきましては、東京都感染症情報センターの公式ページをご参照ください。